日本_出国前
『HUB』東京ドームシティラクーア店 時は遡って2015年の年末。忘年会の二次会で一部の社員で連れ立って後楽園にあるアイリッシュパブ『HUB』の東京ドームシティラクーア店に行った。時期が時期なので満席。テラス席に並べられたテーブルのそばには屋外用のパ…
ひかrewriteが振られて、まずはじめにやったことは東京ドームで行われる THE YELLOW MONKEYのライブに行くことだ。2017年の年末だった。彼氏のためにとっていたチケットだったが、持て余していたようだったのでぼくはそれに立候補した。それは振られたその週…
バーベキュー 一年前、偶然居合わせた女子大生グループと交流できたことを忘れられなかったのだろう。社長は今年 (2017年) の夏もバーベキューをやろうと言い出した。暑い日だった。場所は豊洲だ。ぼくはボストンで買った真っ赤なTシャツ (Beerと大きく書か…
恋の話 スペインのマドリードでぼくは、二つの恋の話を聞いた。 モンテネグロのホステルで出会い二時間だけ話をして別れた日本人のYくん (そのとき、Yくんはバルカン半島を南下し、ぼくは北上していた) のインスタグラムを見て、彼がスペインに来ていること…
東公園 正確に言うとそれは公園ではないのだが、公園ということにしておく。会社の東にあったので、東公園と呼んでみよう。ぼくは東公園をよく散歩した。夏に入社し、四度目の夏が来る前に退社したので、文京区の春夏秋冬をかっちり三回ずつ経験している。 …
旅がなかった人生なんて 『前前前世』という曲がある。前世の前世は前前世、前前世の前世は前前前世という理屈なのだと思う。ぼくは、ひとこと「前世」だけで、前世のみなさん全般を指すものだと思っていたが、それは安易な先入観によってもたらされた固定概…
山を越える 酔い止めが効きはじめるはずの30分はすでに経過していた。道端で濁流が噴き出している。すでに大幅な迂回路を選んでいるにもかかわらず、新たな通行止めに遭遇する。車内に、他のタクシードライバーからの無線が入り続ける。次第に大阪方面で生き…
メモに残されなかったこと この旅ではメモを取り続けている。行った場所、泊まった宿、買った物、食べた物、見たこと、聞いたこと、そして考えたこと。ホテル、カフェ、地下鉄、街中。どんな些細なことでも思いついたときに立ち止まって、なるべくiPhoneのメ…
余裕を持ったタイムスケジュール 和歌山市駅に到着したら大阪方面に向かう南海線、JR阪和線、バスのすべてが運休していた。運休を知らせる張り紙を読むのみならず、改札を塞ぐ駅員に直接尋ね、座り込む人たちを見渡して、やっとぼくは現実を受け入れた。プレ…
原形をとどめていないホールケーキ 起床して洗顔などをしていると「再花」の主人がコーヒーを淹れたと勧めてくれた。ラウンジで飲んでいると、シャワーを浴びた後なのか、濡れた髪を振りながら同室だった青年も入ってきた。 後に連絡先を交換したとき、彼はS…
みんなの学校 和歌山の商店街歩きはまだ続く。喫茶店にも入ったし、買い物もした。夕飯の和歌山ラーメンまで少し時間がある。雨なので遠くには行きたくない。 薄暗いアーケード街をゆっくり歩いていると、あるお店に興味をひかれた。「みんなの学校」という…
シベリア鉄道には乗らない 和歌山駅に着く頃には雨が降っていた。予約していたゲストハウス「再花」の場所をGoogleMapで確かめた。それにしてもバックパックは重い。よくやるよなあ、と思ってしまう。自分に対して。強雨を防ぐために、傘を傾けて歩きながら…
民宿「南紀」の畳の部屋からは海が見えた。そのことに朝起きてから気がついた。バックパックを置いたまま、朝霧が晴れたくらいの時間にとりあえず堤防まで行って、チョコレートを食べた。 夜の駅で鷲掴みしたパンフレットを見て行きたかった喫茶店があったが…
日本の喜望峰 外宮、内宮、おかげ横丁と参拝を終え外宮前にバスで戻り、ソーセージと「伊勢ピルスナー」のランチを済ませたら、その足で串本を目指した。串本では「南紀」という一泊3,000円の民宿を予約していた。 串本は和歌山県の最南端にある「本州の最南…
早速書いていこう。 新宿バスタから伊勢市駅前までの夜行バスは24:00に出た。 浪漫、びあんか、若草堂 9:00前に伊勢市駅につき、そのまま観光案内所を覗くと、パンフレットとともに伊勢神宮への行き方を説明してくれる。朝食を食べたかったので、近くに喫茶…
東京喰種も読み終わり、父の会社のシステムを中野や阿佐ヶ谷のスタバでつくりながら、友人(ひかrewrite)と新宿のスタバでお茶をする穏やかな日々が続いた。梅雨空が続いた二週間、レーシックをするためにぼくは眼鏡で過ごしていた。 出国の日程が決まってい…
自分はいつか長い旅をするだろうな、と思いはじめたのはいつからだろうか。もうそれは、高校生くらいから始まっていた気がする。 それは、夢や情熱というほど大げさではなく、趣味やレジャーというほどお手軽でもなかった。前提というか、誰だって一度はそう…