【オマーン/マスカット】異教徒と無宗教

way of life Airbnbのホストであるハッサンに宗教を訊かれた。当然だが、ぼくには宗教がなかった(当然ということもないか)。ない、と答えたぼくにハッサンは「宗教は誰だって持っている、なぜなら、宗教はway of lifeだから」と、そう言った。wayには方法…

【オマーン/マスカット】ここで死んだらかっこ悪い

ここで死んだらかっこ悪い 交通のハブとなっているRuwiまでタクシーで行き、Ruwiから観光の中心地であるMutrahまで、この土地ではそれほど数の多くない路線バスに乗った。月が出ている。到着したところで安い店に入りケバブを食べた。それから南に、海沿いを…

【オマーン/マスカット】Lazy to Travel

Lazy to Travel 空港バスはマスカットの中心エリアであるRuwiへと向かう。滑らかで気持ちの良い道路。ところどころに岩山のある景色が新鮮で、そんな中に日本の車メーカーの大きなビルと大規模なショールームが目についた。指定のバスステーションで下車し待…

【スリランカ→オマーン】マスカットへ

貰ってくれた方がありがたい オマーン・エアに乗るため、前日にスマホでWEBチェックインをした。こういうことも繰り返せば慣れてくる。ホステルの予約も、バックパッカーならアプリ一発で終了だが、旅慣れる前のぼくは、予約確認表なるものをしっかりと印刷…

【スリランカ/コロンボ】命短し旅せよ乙女(その3)

「積極的に無知でいる」こと ホステルの朝食ではパンやフルーツがビュッフェ形式だったが、好みの卵料理を一品だけシェフにオーダーできた。ぼくもサキさんもオムレツを選ぶ。食事を終えて紅茶を持ってソファに移動した。サキさんは今どきの若者にしては非常…

【スリランカ/キャンディー】命短し旅せよ乙女(その2)

手書きの旅日記 目覚めてトイレに行ってベランダに出ると、サキさん(仮名。チェックインの昨夜このホステルで会って一緒に朝食を食べる約束をしていた)はすでに身支度を整えてテーブルで書き物をしていた。「おはようございます」「おはようございます」朝…

【スリランカ/キャンディー】命短し旅せよ乙女(その1)

コウモリの夜 小学五年生の頃から飼っていた犬が、実家で亡くなったと連絡を受けたとき、ぼくはスリランカにいた。スリランカのキャンディーという町でひとりの日本人女性と行動を共にしていた。 その女性のことはサキさん(仮名)と呼ぶ。サキさんと会った…

【スリランカ/コロンボ】スリランカの夜は暑い

大変なこと スリランカ、コロンボのバンダラナイケ国際空港に深夜に到着した。この夜の宿は予約しておらず、空港内の適当な場所で朝を待つつもりだった。横になれる場所があれば助かる。が、あるかはわからない。結果、それは無かった。最初、空港内のカフェ…

【スリランカへ】ビジネスクラス

モルディブ 「ビジネスクラスですね?」「ノー。ちがいます、エコノミーです」モルディブの首都のマレ。日本に帰る彼女を見送った半日後にマレ国際空港に戻ってスリランカ行きの便にチェックインしようとすると「ビジネスクラスですね?」と言われた。ぼくが…

【インド/コチ】レインツリー

レインツリーのレストラン 朝食付きではなかったので、Raintree Multicuisine Restaurantというところでブッフェ式の朝食をいただいた。250ルピー。350円から400円の間くらいだ。いま思うとたったそれだけなのか、という気がするけど、当時は「こんなに金か…

【インド/コチ】未曾有の美女

未曾有の美女 島であるフォートコチへと渡る小型フェリーのチケット売り場で未曾有の美女を見かけた。女性はムスリムで、ヒジャブをしているのだが、よくあるヒジャブとは違っていて、頭のシルエットがドーム型になっていない。耳や首回りを隠す布と頭部を隠…

【インド/ムンバイ→コチ】地球の歩き方を自分で見つけること

旅立ちからジャスト八ヶ月の日に、コチへついた 例によってsleeperクラスの三段目。コチ行きの鉄道も20時間を越えた。大都市ムンバイからすると下りの路線なので乗客はこれまでよりも少なく、車内は乾いていて落ち着いていた。南下するにつれて如実に暑くな…

【インド/ムンバイ】神聖な場所には何もない

アフガニスタン人 ケーララ州コチ行きの寝台列車のチケットをチャーチゲート駅で買った。出発は二日後だ。チケットカウンターに並んでいたのだが、目に見えてイライラしている西洋人男性がいて、彼はどうしても今日の鉄道でデリーに行きたいらしい。彼の出身…

【インド/ムンバイ】アラビア海へと続く坂道

ポンデリング かつてはボンベイと呼ばれたムンバイはインドの国土の南でも北でもなく真ん中にある。そして西のアラビア海に面している。経済と人口では首都デリーと同格の規模を持ち、貿易の港町で、映画を中心としたエンターテインメントにも強い。ただ歩く…

【インド/PASCHIM EXPRESS】たいチルラップ

フランスのルフィ デリーからムンバイへのながい列車の旅がはじまった。PASCHIM EXPRESSという名の寝台列車は16時45分にほぼ定刻通り出発し、翌日の14時45分に到着する予定である。ぼくは指定席のない当日券を除くと最も安いSleeperクラスの寝台を確保した。…

【インド/デリー】チャイ屋の開店を並んで待つ

パンツがない 街のクリーニング屋にただ洗濯をしてほしくて服を預けたのだが、翌日に取りに来いと言われていざきてみると店が閉まっていた。困ったなあと思ってさらに次の日に行くと、開店時間の十一時になってもシャッターが開かない。そこは路地裏にある小…

【インド/デリー】きっともう見つけているんだよ

お、今日もきたな ニューデリーの中心地域であるコノートプレイスに行くとさすがに洒落た店が多い。生きのいい若者とリッチな大人たちのバランスがちょうど良く、東京で言えば原宿から表参道、青山あたりの雰囲気だろうか。ファストフードもカフェもバーも多…

【インド/デリー】お前から話しかけた人間だけが信用できる

300ルピーなら俺は乗らなかった! 深夜特急の当初のコンセプトはデリーからロンドンへ向かうことだった。ひょんなきっかけから沢木耕太郎は香港と東南アジアをその"前哨戦"として旅することになったが、多くの読者にとって、そしておそらく沢木氏にとっても…

【インド/デリー】市ヶ谷から丸の内まで

The Artful Baker バスがデリーに到着したのは早朝。 シートで寝ながら一風変わった夢をみた気がするがなにひとつ覚えていない。外は寒く、真っ暗だ。いま自分が巨大なバスステーションにいるという予感はある、しかしその全体像は掴めていない。空が明るく…

【ネパール/マヘンドラナガル】俺はイミグレが必要だ

マルチタスク ネパール西端の国境の町マヘンドラナガルに到着し、その足でバスターミナルを訪ねてその日の夕方に出るデリー行き夜行のチケットを買った。マヘンドラナガルに行けばチケットはあると言われていたので、それを信じてやってきたが、実際に買えて…

【ネパール/バルディヤ】焚火と断水と停電、そして錠剤

一日目 早朝、長距離バスで到着したバルディヤのゲストハウスの入り口でトゥクトゥクから降りて、ぬかるんだ道を歩いて門をくぐった。チェックイン時刻にはまだ早い。チャイをもらい、あずまやで焚き火を焚いてくれたのでぼくはそこでしばらく体を温めた。火…

【ネパール/ポカラ→バルディヤ】ゲイル2

雨の夜 ポカラ発バルディヤ行きのバスはほぼ定刻通り、午後一時過ぎに出発した。ぼくは窓際の席で隣には小柄なネパール人の男が座った。この時刻に出発するのにもかかわらず、バルディヤ到着は明日早朝の予定だ。そしてショックだったのが、座席に一切のリク…

【ネパール/ポカラ】ゲイル

移動前日 チトワンレディースと別れて馴染みのレイクサイドに帰ってきた後、ポカラ到着の初日と同じ「クレイジー・バーガー」で本格チーズバーガーをポテト付きで食べた。インド人は牛も豚も食べない。このとき、ぼくは肉に飢えていた。ネパールはインドより…

【日本/東京/文京区】旅にでるまで (6)社会人としての青春

『HUB』東京ドームシティラクーア店 時は遡って2015年の年末。忘年会の二次会で一部の社員で連れ立って後楽園にあるアイリッシュパブ『HUB』の東京ドームシティラクーア店に行った。時期が時期なので満席。テラス席に並べられたテーブルのそばには屋外用のパ…

【ネパール/ポカラ】チトワンレディース

街の路線バスにて バルディヤ行きのチケットを今度こそ買うために、長距離バスステーションにもう一度出向いた。昨日は徒歩で行ったところをこの日は街の路線バスで行くことにした。一つの街に滞在できる時間は限られているので、同じ場所に行く必要が生じた…

【ネパール/ポカラ】なんといってもお気に入り

そして湖には静寂がある ポカラはこの旅を通してのぼくのお気に入りだと言える美しい街だ。ひとことで表すと湖と山の町。自然というか地形というか、その全体。いわゆる「ランドスケープ」に魅力がある。ただ自然が豊富というのではない。佇まいがいいのだ。…

【ネパール/カトマンズ→ポカラ】埃の街から湖の街へ

埃の街 「長く半年近く旅をしてから、いろんなことの見晴らしが良くなってきている。この見晴らしを持ってすれば日本に帰ったときも、なんでもできるような気がしてくる」 肌寒いが陽当たりの良いホステルの屋上でひとりで朝食をとっているときのメモにこう…

【ネパール/カトマンズ】アイコスの火

ヒマラヤのお膝元 カトマンズに一泊した翌午前、早速中心部のタメル地区に出かけてヤクの毛でできた手編みのフード付きセーターを買った。一張羅なのでいくつも試着し3,500ルピーから3,000ルピーまで値引交渉をして手に入れた。それをその場でウィンドブレー…

【ネパール/カトマンズ】ウランバートルに似て

三種のカレーとモモ ネパールのイミグレでアライバルビザ用紙を記入するのだが、用意されているペンが詰めかけている人数に足りず、ぼくはそばにいたポルトガル人男性にボールペンを借りた。日本に行ったことのある彼は東京よりも大阪が好きだと言った。夜が…

【インド・ネパール間国境】キラキラバックパッカー事件

真夜中の国境 カトマンズ行きの夜行バスを待っていると、雨が雷雨に変わりバラナシ郊外の長距離バスターミナル全体が停電した。ぼくはベンチにバックパックを置いて自分は立ってチャイを片手にスマホでキンドルを読んでいた(ベンチの周囲は蚊がうるさかった…