インド

【インド/コチ】レインツリー

レインツリーのレストラン 朝食付きではなかったので、Raintree Multicuisine Restaurantというところでブッフェ式の朝食をいただいた。250ルピー。350円から400円の間くらいだ。いま思うとたったそれだけなのか、という気がするけど、当時は「こんなに金か…

【インド/コチ】未曾有の美女

未曾有の美女 島であるフォートコチへと渡る小型フェリーのチケット売り場で未曾有の美女を見かけた。女性はムスリムで、ヒジャブをしているのだが、よくあるヒジャブとは違っていて、頭のシルエットがドーム型になっていない。耳や首回りを隠す布と頭部を隠…

【インド/ムンバイ→コチ】地球の歩き方を自分で見つけること

旅立ちからジャスト八ヶ月の日に、コチへついた 例によってsleeperクラスの三段目。コチ行きの鉄道も20時間を越えた。大都市ムンバイからすると下りの路線なので乗客はこれまでよりも少なく、車内は乾いていて落ち着いていた。南下するにつれて如実に暑くな…

【インド/ムンバイ】神聖な場所には何もない

アフガニスタン人 ケーララ州コチ行きの寝台列車のチケットをチャーチゲート駅で買った。出発は二日後だ。チケットカウンターに並んでいたのだが、目に見えてイライラしている西洋人男性がいて、彼はどうしても今日の鉄道でデリーに行きたいらしい。彼の出身…

【インド/ムンバイ】アラビア海へと続く坂道

ポンデリング かつてはボンベイと呼ばれたムンバイはインドの国土の南でも北でもなく真ん中にある。そして西のアラビア海に面している。経済と人口では首都デリーと同格の規模を持ち、貿易の港町で、映画を中心としたエンターテインメントにも強い。ただ歩く…

【インド/PASCHIM EXPRESS】たいチルラップ

フランスのルフィ デリーからムンバイへのながい列車の旅がはじまった。PASCHIM EXPRESSという名の寝台列車は16時45分にほぼ定刻通り出発し、翌日の14時45分に到着する予定である。ぼくは指定席のない当日券を除くと最も安いSleeperクラスの寝台を確保した。…

【インド/デリー】チャイ屋の開店を並んで待つ

パンツがない 街のクリーニング屋にただ洗濯をしてほしくて服を預けたのだが、翌日に取りに来いと言われていざきてみると店が閉まっていた。困ったなあと思ってさらに次の日に行くと、開店時間の十一時になってもシャッターが開かない。そこは路地裏にある小…

【インド/デリー】きっともう見つけているんだよ

お、今日もきたな ニューデリーの中心地域であるコノートプレイスに行くとさすがに洒落た店が多い。生きのいい若者とリッチな大人たちのバランスがちょうど良く、東京で言えば原宿から表参道、青山あたりの雰囲気だろうか。ファストフードもカフェもバーも多…

【インド/デリー】お前から話しかけた人間だけが信用できる

300ルピーなら俺は乗らなかった! 深夜特急の当初のコンセプトはデリーからロンドンへ向かうことだった。ひょんなきっかけから沢木耕太郎は香港と東南アジアをその"前哨戦"として旅することになったが、多くの読者にとって、そしておそらく沢木氏にとっても…

【インド/デリー】市ヶ谷から丸の内まで

The Artful Baker バスがデリーに到着したのは早朝。 シートで寝ながら一風変わった夢をみた気がするがなにひとつ覚えていない。外は寒く、真っ暗だ。いま自分が巨大なバスステーションにいるという予感はある、しかしその全体像は掴めていない。空が明るく…

【インド・ネパール間国境】キラキラバックパッカー事件

真夜中の国境 カトマンズ行きの夜行バスを待っていると、雨が雷雨に変わりバラナシ郊外の長距離バスターミナル全体が停電した。ぼくはベンチにバックパックを置いて自分は立ってチャイを片手にスマホでキンドルを読んでいた(ベンチの周囲は蚊がうるさかった…

【インド/バラナシ】ラブリー

旅と言語化 ぼくがバラナシにいたのは2019年2月の第一週だったが、その三ヶ月以上後にモンテネグロで出会った日本人バックパッカーのYくんも同じ時期にバラナシにいたことが判明した。もちろんバラナシにいたときに我々は出会っていない。だが、二人とも呆け…

【インド/バラナシ】バラナシの歩き方

「なんでこわい? ボラれた?」川沿いを歩いていて、「コンニチハ」と話しかけてくる胡散臭い男を無視すると日本語でそんな言葉をかけてくる。負け惜しみだ。バラナシには「コンニチハ」と言ってくるインド人が多かった。ここには日本人旅行者が多く、そして…

【インド/バラナシ】川沿いに張り付くように広がった土色の街

どこか異なっている熱 不思議な世界観の夢から覚めるとぼくはバラナシ行きの三等寝台列車に乗っていた。夢では、辞めた会社の同僚や、南極、ラーメン、小中学校時代親しかった友人のヒトシ、弟、THE YELLOW MONKEYの1stアルバムなどあらゆる情報がごった煮で…

【インド/アムリトサルメール】コルカタ発バラナシ行

ホグワーツに行くとき 大混雑のハウラ・ジャンクション駅内の食堂でハッカ・ヌードルを立食いし、ミネラルウォーターを買い込んで、19時10分の「AMRITSAR MAIL(アムリトサルメール)」という名を持つ寝台列車に乗り込んだ。ここはコルカタ。目指すはバラナ…

【インド/コルカタ】Obey The Traffic Blues

交通ブルースに従え! アジアなら大体どこの国でも日本の感覚で歩行者をしていたら数日以内に轢かれる。ずいぶん先のことになるけど、モンテネグロにたどり着いた頃、まだアジアを旅していたときの感覚で車が通り過ぎるのを待っていたら、ピタッとぼくの前で…

【インド/コルカタ】アポールさんへのビデオレター

帰りたいと言える季節 ペイは前日にバラナシへ旅立っていた。SIMを手に入れたと連絡したセンから朝起きると返事が届いていて、バラナシの環境は「not good」だから覚悟しとけというメッセージが添えられていた。「bad」じゃなくて「not good」とオブラートに…

【インド/コルカタ】シールダ駅とハウラ駅

シールダ駅まで・パーソナルスペース 街中まで六キロを歩く過程でぼくはマフィンを、イェジィは餅のようなものを買い食いして、それを昼食とした。ぼくはマフィンを食べ切ってしまったが、イェジィは餅を分けてくれた。この人はなんでも分けてくれる。世の中…

【インド/コルカタ】商談の失敗

インドと内需 「Sorry, very hungry」と言って泣きそうな顔でぼくに手を差し出す女性。手押しのリキシャの男は呼び鈴がわりに手で鈴を持ってそれを打ち鳴らす。ポットを持ってチャイを売り歩く男。駆け回る子どもたちの中に長い髪がウェーブしているひときわ…

【インド/コルカタ】コルカタからカルカッタへ

インドの噂 とりあえず街の真ん中まで出ようと決めて、ひたすら歩き続けた。ぼくの見立てでは四から五キロの距離だと言うと、実質的に徹夜明けのイェジィはそのくらい歩くのは全く問題がない、「行こう行こう」と言った。バックパッカーにとってインドはやは…

【インド/コルカタ】インドの洗礼・インドのサラリーマン

インドの洗礼 空が明るくなって空港を出た。「これはインドの空気だね!タイとは違う!」両手を広げたイェジィがそんなことを言っていると早速タクシーの客引きが寄ってくる。ぼくが予約しイェジィもついてくることになったホステルまではそれなりに距離があ…

【インド/コルカタ】靴下の穴

ファイト一発 アライバルビザの発行にそれほど時間を要した記憶はない。真夜中のコルカタ空港、インド入国の一歩手前。二人きりで待たされた我々は一通りの自己紹介をした。コリアンガールはイェジィという名であり、わずかな会話でも英語が抜群にうまいと気…

【インド/コルカタ】二つのアライバルビザ

2時間35分 コルカタ行きのAirAsiaの機内で隣り合ったのは、インド屈指のIT都市として名高い南部のバンガロールからきたタイ旅行帰りのインド人男性だった。奥の座席に通してもらうためにぼくが「Excuse me」と声をかけると、彼は座席の肘掛に乗せた両手の力…