2018-01-01から1年間の記事一覧

【キルギス/サリ=モゴル(パミール)】再訪するのが難しい場所

洗濯をする パミール高原について書くのはむずかしい。ぼくが滞在したパミール高原の村はサリ=モゴルという。標高は三千メートル。そこで二泊三日をすごしてからソンジェ、ウォング、キュウリンの三人と別れ、一人で先にオシへ帰った。一人で帰ったのにはい…

【キルギス/オシ】パミール行きのシェアタクシーに乗るまで

正味四十八時間のことを書こう オシには一泊だけしてパミール高原に向かった。ソンジェとぼくだけだったはずの旅のメンバーはパミール到着時点で四人にまで増えていた。ちなみにぼく以外はぜんいん韓国人のおじさんだ。オシ行きの夜行タクシーに乗ってから、…

【キルギス/ビシュケク】ポロフを食べながら

心境の変化 あれからしばらくぼくは考えた。ビシュケク発タシュケント行きの鉄道は五日後の朝に出る。それに乗るつもりだった。しかし本当にそれで良いのだろうか。ビシュケクを見ただけでキルギスを出てしまって良いのだろうか。南部にはオシというローカル…

【キルギス/ビシュケク】アナザープラネットと同じ月

オッシュ・バザー 翌日にソンジェと飲む約束をかわしたあとの午前中はカフェで江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』を読み進めた。昼前からバスに乗り、とりあえずビシュケクの名物らしい、オッシュ・バザーに行くことにした。 バザーの前で降りたら、すでに人で…

【キルギス/ビシュケク】中央アジア歴史研究家

ハングル語の本 Are you Korean?Yes. You?Japan.Oh, Japan...それからたっぷり3秒は間があったと思う。ぼくは挨拶のつもりで右手を上げて韓国語で言った。「アニョハセヨ」2秒の間をおいてソンジェは日本語で言った。「コンニチハ」 クロイを見送った後ぼく…

【キルギス/ビシュケク】街バスいろは

街バスいろは 翌午前は早速、ワゴン車バスにトライしようと街に出た。最寄りのバス停から、昨日歩いた街の中心まで乗ってみよう。同じようにしてバスを待っているおじさんに運賃を訊ねると10ソムとのこと。10ソム硬貨を握りしめて待った。ひとつのバス停にた…

【キルギス/ビシュケク】熱いシャワー

アルマトイからビシュケクへ アルマトイの街はずれ、セイランバスターミナルから、ビシュケクまでは小型のバスで500円で行けた。バスといってもワゴン車を改造したようなものだったが、乗り合いタクシーよりは快適だった。座席の境界がはっきりしており、隣…

【カザフスタン/アルマトイ/BigAlmatyLake】男友達

男友達 カザフスタン編最終回、楽しい話も書いていこう。前回の記事の「事件」が尾を引いたアルマトイだったが、滞在日数が比較的長めだったこともあり、出会った人の単純な総数ではモンゴルに次ぐかもしれない。その中でも「そろそろ次に行こうかな」と重い…

【カザフスタン/アルマトイ】度胸と愛嬌

情報はSMSで送ってほしい 結局、駅からホテルまで早朝のアルマトイを歩いた。Kさんとシドニーからきたマダムと一緒だ。ぼくは自分のバックパックを背負いながらマダムのキャリーバッグを40分は転がし続けた。Booking.comで予約したホステルの地図が間違って…

【カザフスタン/アルマトイ】おんぼろ国際列車K9797での一日

越境 K9797は9月3日の深夜にウルムチ駅を出発し9月5日の早朝にアルマトイ"2"駅に到着したため、9月4日はまる一日を電車の中で過ごしたことになる。午前は越境で潰れた。例によって新疆スタイルだ。止まっている電車の中で荷物を広げたと思ったら、外の事務所…

【カザフスタン/アルマトイ】ウルムチ銀河鉄道K9797

銀河鉄道に乗って カザフスタン、アルマトイ行きの鉄道「K9797」は予定時刻を一時間以上遅れて出発した。すでに日付が変わっていた。鉄道は西安あたりから来ているのか、ウルムチで乗る乗客は少なかった。一部屋に二段ベッドが二つ。シベリア鉄道と同じだ。…

【カザフスタン/アルマトイ】凪いでいる海

ネデルカを襲うどんぐりの銃声 アルマトイは秋だった。アルマトイのどんぐりは日本のどんぐりよりもかなり大きく、木から落ちる時に銃声のような鋭い音を立てた。硬さも日本のどんぐりよりも硬いように思えた。なぜなら、アスファルトに落下したアルマトイの…

【ひかrewrite】出会い・であい→Encounter

ひかrewriteです。 この夏は➀に出会い②にであい ③④も含め⑤にデアイな2018年でした。 昨年2017年は 7年ほどお付合いしていた人との別れを選んだ夏でしたが すぐに新たな大好きな人と出会ってしまって それでも途中から舵取りを見失って 相手に合わせた恋をし…

【番外編】旅で出会った人物紹介 (前半)

今回は、この旅における幾多の出会いを、登場人物一覧という形で書いてみたいとおもいます。国毎にシリーズ化?しているこれまでの記事と重複する人もいれば、この「登場人物紹介」の記事にしかでてこない人もいます。そのどちらにも書かれない人もいます(…

【番外編/バックパッカー】旅と学歴の謎

最も旅人が多い大学 三ヶ月に渡ろうとしているこの旅では日本人にもたくさん会った。せっかくの海外なので日本人だけでつるまないように努めてはいるが、それでもやっぱりほっとして饒舌になってしまったりする。自ずと各々のバックグラウンドを語り合うなか…

【番外編/バックパッカー】旅の必需品

旅立ちから二カ月を過ぎ流浪の生活も板についてきました。お陰様で体調を崩すこともなく、荷物の紛失や盗難にあうこともなく、快調にきております。さてここで番外編。これまでの旅で活躍してきた必需品と、今後の購入を検討しているものを厳選してまとめた…

【中国/新疆ウイグル自治区/ウルムチ駅】途切れていくWiFiに離れていく距離を感じて

ウルムチ駅の高い天井 23:26発のアルマトイ行きの鉄道に乗るために、ぼくはウルムチ駅にチェックインしていた。荷物検査でハサミを没収された。「なぜ持ち込めないんだ?長い旅をしてるんだ。これで髪を切るんだ」そう言っても聞いてもらえなかった。「お前…

【中国/新疆ウイグル自治区/吐魯番】ブドウの楽園

クラウラのおすすめ 実は、ウルムチに到着して一段落したタイミングでクラウラに連絡をとっていた。大学の夏季休暇で一ヶ月に渡る旅を続けていたクラウラはその時点でイタリアにいた。新疆ウイグル自治区で、クラウラにお薦めされた場所のひとつが吐魯番(ト…

【中国/新疆ウイグル自治区/ウルムチ】醒めない夢と I Miss U

プレオープン 50メートル間隔で警察がいる。中規模以上の店に入れば荷物検査。ぼくはあたかもウルムチに生まれ育った人のような顔をして歩く。彼らの眼には留まらない。乾いたこの街には徹底して木が植えられている。緑豊かなストリートの数々。 初日、緊張…

【中国/新疆ウイグル自治区/ウルムチ】少年期と青年期

少年期 旅は人生に似ていて、幼年期、少年期、青年期、壮年期、老年期と変化していくのだ。と沢木耕太郎は言っていた。 その説に倣うなら、ぼくの場合、ウランバートルで過ごした三週間が少年期にあたると思う。 旅のいろはがまだ身についていないからこそ、…

【モンゴル/ウランバートル12】ハロー・グッバイ編

写真を撮ろうか? クラウラはナイスガイに薬をもらい、温かいカップをお腹に当てていた。病院にいくか?とナイスガイが聞いたが、20分経てば大丈夫、と答えた。20分経って、実際に回復したようだった。ゲルに荷物をおいてぼくたちは次の目的地へ車で向かった…

【モンゴル/ウランバートル11】もう一つの人生編

戦争 男はぼくひとりをベッドに座らせた。ホースワインの回し飲みが再開した。ぼくだけがそれを免除された。居心地は悪かった。しかし、ただの正義感や自己満足でそこに割って入ってはいけないのではないか、今立ち会っているのは極めて繊細な問題なのではな…

【モンゴル/ウランバートル10】ホースワインで乾杯編

NoNoNo 朝起きたら暖炉の火は消えていた。着替えの服もパジャマも無いので石鹸を片手にシャワーを浴びに行く。冷たい。文字通り震えながら浴びた。髪は洗わなかった。ゲルに戻っても寒い。シャオロンにスリランカのお茶をもらって暖をとった。朝食まではまだ…

【モンゴル/ウランバートル9】初めて語り合えた夜編

スマート&インテリジェント モンゴルの日は長かった。途中、外に出て山の彼方のサンセットを眺める。気がついたらナイスガイの手にはウォッカボトル。それをストレートでいただく。少しだけ、と言ったはずのクラウラのグラスに並々注がれたそれを、ぼくのグ…

【モンゴル/ウランバートル8】三ヶ国語で乾杯編

宴 レストランは、大きなゲルというよりかは、サーカスのテントだった。奥に厨房が併設されていて、テーブルクロスの掛けられた綺麗なテーブルが並んでいる。その中の最も暖炉に近い位置にぼくらのナイフやフォーク、グラスが用意されていた。客はぼくらだけ…

【モンゴル/ウランバートル7】漢字を使う民族編

過去への階段 レストランになっている大きなゲル、シャワーとトイレのあるロッジを案内してもらい、寝床となるゲルに荷物をおいた。円形に並ぶ3つのベッドの真ん中にモンゴル風の暖炉がある。ゲストハウスもそうだったが、掛け布団の模様が美しかった。シャ…

【モンゴル/ウランバートル6】あーみーとーふーぅー編

ドライブ ウランバートルは小さい。あっという間に郊外に飛び出した。草原だ。信号のない車道を、ナイスガイはナイスガイらしく、ぶっ飛ばしていく。対向車線にはみ出して前の車を追い抜く。ナイスガイはイケてるモンゴリアンミュージックをかける。ロック。…

【モンゴル/ウランバートル5】simカード購入編

好きな街 2人はぼくより先に起きていた。出発は10時だった。ミリーとは別の、英語を話さない中年女性が用意してくれた朝食を3人で静かに食べた。ソーセージと玉ねぎの炒め物。マッシュポテト。玄米風ご飯。シチューに似たトマトソース風の何か。これらがワン…

【モンゴル/ウランバートル4】ゲストハウスの夜編

田舎と都会 21時半頃だろうか。ゲストハウスに帰ると、件のカリフォルニア人ではなく、モンゴル人の中年女性が迎えてくれた。程よい英語を話す中年女性はミリーと言った。ミリーはオーナーであるサラのマム(お母さん)だった。ラウンジにいたのはミリーだけだ…

【モンゴル/ウランバートル3】ピースツアー編

ウランバートルの街 ゲストハウスではカリフォルニア人が迎えてくれた。もちろんシャオロンは同じドミトリーだ。風呂に入っていなかったが、顔だけ洗って紅茶を飲んでスッキリした。シャオロンが蜜柑と桃をくれた。そして17時。イギリス人マダムこと、ダイア…